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脱獄
やはり、皇帝陛下だった…。
数奇な運命を辿った皇帝ユリエル・セプテイム。
その皇帝が、なぜこんな牢獄にやってきたのか訝しげに思っていると、女騎士が壁をまさぐり、次の瞬間壁が床の下へ沈み、隠し通路が現われたのである。
女騎士は、俺など眼中にないらしい。皇帝を促し、先頭を切って隠し通路を突き進む。皇帝は静かに後を追い、残る騎士たちも続いた。
「お前はついてくるなよ」
「我々の邪魔をするんじゃない」
ついてくるんじゃない。そうはいうが、この上ない脱獄のチャンスを棒に振るような阿呆ではない。しっかりと連中の後を追った。

しばらく遺跡のような通路を進むと、喧騒が上がった。騎士たちが何かに突っ込んでいく。何事かと跡を追うと、皇帝に「身を守るんだ」と言われた。見ると、騎士たちが暗殺者と思しき集団と戦っている。その戦いで、レノルトという、あの女騎士が討ち死にをしたようだ。

先を急ぐ一行についていくと、鍵のかかった扉があり、ボーラスという騎士がそれを開ける。
「ここから先にはついてくるな」
そう言い、向こう側から鍵をかけられる。どうしたものかと考え込んでいると、がらがらと何かが崩れる音、そして不快な鳴き声。まるまると太った溝鼠が二匹、自分に襲い掛かってくる。
腐っても元アリーナのグランドチャンピオンだった男だ。
難なく鼠を殴り殺し、何か武器になるものはないかと探し始めた。

赤いローブを着た暗殺者からは何も得られない。鎧を着ていたかのように見えたのだが、どうやら魔法で鎧のようなものを生成、または召還していたようだ。
仕方ないのでレノルト隊長の死体を調べてみる。ブレイドの剣「アカヴィリ刀」とショートソードを持っていた。

愛用していたアカヴィリ刀は遺品として持ち、ショートソードを有難く使わせてもらう事にした。
鼠が崩した壁から、洞窟のような場所へ。

ここは鼠の巣窟になっているのか、度々この忌々しい害獣に襲われた。近くには白骨化した遺体もある…。少々気が引けるが、この遺体が身に着けていたレザーアーマーを拝借し、身に着けた。他には弓や矢、盾等も落ちていたが、俺は盾や弓は使わない。いや、使えない。
元は、帝都の貧民層の出…。独学で錬金術を学び、水薬を精製しては各地に行商に出ていた。その間、追いはぎや野生の狼、低級なデイドラを相手にするうちにおのずと身に付いた我流の剣術。盾や弓矢のような高度な訓練を必要とする武具は扱えない事はないが、上手くはない。
それはさておき、先へ進むと、またしても鼠が群れて襲ってきた。…と、思ったが無視された。何かから逃げるように一目散に…・。

奥を見ると、人影が鼠と戦い、打ち倒している。だが、こんなところに自分以外の人間がいるとは思えない…。ショートソードを握り締め、慎重に近づく…。すると、向こうも俺に気がついたようだ。つぶれた喉から、低いうなり声を上げ、腐臭を撒き散らしながら襲ってきた。
ゾンビだ!

流石に鼠より強敵だった。他に仲間がいないかあたりを見回す。暗殺者の中に、ネクロマンサーがいないとも限らない。
………。いないようだ。先に進むとしよう。
串刺しになった髑髏があったり、髑髏がつるされていたりする。どうやら鼠の巣窟から、ゴブリンの巣窟に変わったようだ。

扉をくぐり、しばらく進むとゴブリンがうろうろしている。気づかれないようにこっそり近寄り、背後からばっさりと斬り伏せる。このあたりはダークブラザーフッドで培われた暗殺の技なのだろう。ここから先はゴブリン共を相手にしながら先に進むことになった。

再び遺跡のような場所。下の方から声が聞こえる。先に進んだ皇帝と、二人のブレイドのようだ。安全な場所を確保して援軍をまつべきだ!こんな場所で援軍が望めるか、はやく下水道を通って脱出するべきだ!等と口論していると、再び暗殺者が襲ってくる。今度はただ眺めているわけにもいくまい。鼠とゴブリン達のおかげで、戦いのカンはすこしばかり戻っている。階下に飛び降りて、暗殺者を斬る。襲撃がやむと、あの神経質なブレイドが難癖をつけてきた。

「いや、まて、彼は敵ではない。彼は我等を助けなけばならないのだ…」
皇帝がなだめる。
「彼には、なぜ私がお前を信用しているのか分からないのだろう」
穏やかに俺に話しかける皇帝。ひとしきり運命やら、星やらの話をし、それが済んだ後に「どこへ向かうのか?」と尋ねてみた。
「どこへ向かうのか…。私は死に場所へ向かっている…」
「死が怖くないのですか?」
「私は勝利とは無縁の人生を歩んだが、十分に生きた」
皇帝は、すでに死を覚悟している。どうやら、先の事をある程度予見出来るらしく、このような事態になることは分かっていたようだ。聞くと、すでに三人の皇子も襲われ、命を落としたらしい。そうなると、王家の血筋は絶えてしまうのではないだろうか?
そろそろ行こうと神経質。俺が同行するのもしぶしぶ承知したようだ。背後にいたボーラスから「少しは役に立て。これで我々を照らして後からついてこい」と、松明を渡された。

何度か襲撃を受ける。やはりカンが鈍っているのかもしれない。戦闘準備をもたついているうちにボーラス達が片付けてしまっている…。情けない。

進む道が閉ざされてしまっているようだ。神経質がより神経質に「罠だ!」と叫んでいる。ボーラスは落ち着いたもので、「向こうの通路はどうだ?」と提案。神経質は「分からん!とにかく行ってみよう!」と先を進む。なんとなく不安だ…。皇帝はというと、静かに神経質の後に従っていく。歩きながらちらりと俺の方を向いた気もするが、多分気のせいだ。
数奇な運命を辿った皇帝ユリエル・セプテイム。
その皇帝が、なぜこんな牢獄にやってきたのか訝しげに思っていると、女騎士が壁をまさぐり、次の瞬間壁が床の下へ沈み、隠し通路が現われたのである。
女騎士は、俺など眼中にないらしい。皇帝を促し、先頭を切って隠し通路を突き進む。皇帝は静かに後を追い、残る騎士たちも続いた。
「お前はついてくるなよ」
「我々の邪魔をするんじゃない」
ついてくるんじゃない。そうはいうが、この上ない脱獄のチャンスを棒に振るような阿呆ではない。しっかりと連中の後を追った。

しばらく遺跡のような通路を進むと、喧騒が上がった。騎士たちが何かに突っ込んでいく。何事かと跡を追うと、皇帝に「身を守るんだ」と言われた。見ると、騎士たちが暗殺者と思しき集団と戦っている。その戦いで、レノルトという、あの女騎士が討ち死にをしたようだ。

先を急ぐ一行についていくと、鍵のかかった扉があり、ボーラスという騎士がそれを開ける。
「ここから先にはついてくるな」
そう言い、向こう側から鍵をかけられる。どうしたものかと考え込んでいると、がらがらと何かが崩れる音、そして不快な鳴き声。まるまると太った溝鼠が二匹、自分に襲い掛かってくる。
腐っても元アリーナのグランドチャンピオンだった男だ。
難なく鼠を殴り殺し、何か武器になるものはないかと探し始めた。

赤いローブを着た暗殺者からは何も得られない。鎧を着ていたかのように見えたのだが、どうやら魔法で鎧のようなものを生成、または召還していたようだ。
仕方ないのでレノルト隊長の死体を調べてみる。ブレイドの剣「アカヴィリ刀」とショートソードを持っていた。

愛用していたアカヴィリ刀は遺品として持ち、ショートソードを有難く使わせてもらう事にした。
鼠が崩した壁から、洞窟のような場所へ。

ここは鼠の巣窟になっているのか、度々この忌々しい害獣に襲われた。近くには白骨化した遺体もある…。少々気が引けるが、この遺体が身に着けていたレザーアーマーを拝借し、身に着けた。他には弓や矢、盾等も落ちていたが、俺は盾や弓は使わない。いや、使えない。
元は、帝都の貧民層の出…。独学で錬金術を学び、水薬を精製しては各地に行商に出ていた。その間、追いはぎや野生の狼、低級なデイドラを相手にするうちにおのずと身に付いた我流の剣術。盾や弓矢のような高度な訓練を必要とする武具は扱えない事はないが、上手くはない。
それはさておき、先へ進むと、またしても鼠が群れて襲ってきた。…と、思ったが無視された。何かから逃げるように一目散に…・。

奥を見ると、人影が鼠と戦い、打ち倒している。だが、こんなところに自分以外の人間がいるとは思えない…。ショートソードを握り締め、慎重に近づく…。すると、向こうも俺に気がついたようだ。つぶれた喉から、低いうなり声を上げ、腐臭を撒き散らしながら襲ってきた。
ゾンビだ!

流石に鼠より強敵だった。他に仲間がいないかあたりを見回す。暗殺者の中に、ネクロマンサーがいないとも限らない。
………。いないようだ。先に進むとしよう。
串刺しになった髑髏があったり、髑髏がつるされていたりする。どうやら鼠の巣窟から、ゴブリンの巣窟に変わったようだ。

扉をくぐり、しばらく進むとゴブリンがうろうろしている。気づかれないようにこっそり近寄り、背後からばっさりと斬り伏せる。このあたりはダークブラザーフッドで培われた暗殺の技なのだろう。ここから先はゴブリン共を相手にしながら先に進むことになった。

再び遺跡のような場所。下の方から声が聞こえる。先に進んだ皇帝と、二人のブレイドのようだ。安全な場所を確保して援軍をまつべきだ!こんな場所で援軍が望めるか、はやく下水道を通って脱出するべきだ!等と口論していると、再び暗殺者が襲ってくる。今度はただ眺めているわけにもいくまい。鼠とゴブリン達のおかげで、戦いのカンはすこしばかり戻っている。階下に飛び降りて、暗殺者を斬る。襲撃がやむと、あの神経質なブレイドが難癖をつけてきた。

「いや、まて、彼は敵ではない。彼は我等を助けなけばならないのだ…」
皇帝がなだめる。
「彼には、なぜ私がお前を信用しているのか分からないのだろう」
穏やかに俺に話しかける皇帝。ひとしきり運命やら、星やらの話をし、それが済んだ後に「どこへ向かうのか?」と尋ねてみた。
「どこへ向かうのか…。私は死に場所へ向かっている…」
「死が怖くないのですか?」
「私は勝利とは無縁の人生を歩んだが、十分に生きた」
皇帝は、すでに死を覚悟している。どうやら、先の事をある程度予見出来るらしく、このような事態になることは分かっていたようだ。聞くと、すでに三人の皇子も襲われ、命を落としたらしい。そうなると、王家の血筋は絶えてしまうのではないだろうか?
そろそろ行こうと神経質。俺が同行するのもしぶしぶ承知したようだ。背後にいたボーラスから「少しは役に立て。これで我々を照らして後からついてこい」と、松明を渡された。

何度か襲撃を受ける。やはりカンが鈍っているのかもしれない。戦闘準備をもたついているうちにボーラス達が片付けてしまっている…。情けない。

進む道が閉ざされてしまっているようだ。神経質がより神経質に「罠だ!」と叫んでいる。ボーラスは落ち着いたもので、「向こうの通路はどうだ?」と提案。神経質は「分からん!とにかく行ってみよう!」と先を進む。なんとなく不安だ…。皇帝はというと、静かに神経質の後に従っていく。歩きながらちらりと俺の方を向いた気もするが、多分気のせいだ。
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